Android 5.0以上ならTermuxでWgetを使用できます → Termuxの備忘録
追記ここまで
configureを使用してからmakeするソフトウェアをAndroid用にコンパイルできればなぁ、と。
間違っているところもあると思いますので注意してください。
こんな流れで作成してみる。
- configureでコンパイル時に必要なファイル等を作成
- Makefileと実際にmakeして、コンパイル対象となるソースやコンパイル時の定義を確認し、Android.mkを作成。(makeで作成されるバイナリでもAndroidで動くのですが、ndk-buildで作成したいので)
- ndk-buildでAndroid用のバイナリを作成
Android用のWgetは既にバイナリが提供されているので(Android用のwgetを導入参照)、無駄に思えるけど、Wget(1.11.4)がコンパイルしやすかったので、NDK内のドキュメントSTANDALONE-TOOLCHAIN.htmlを読みながらコンパイルしてみる。
(CentOS 5.8上のAndroid NDK Revision 8で実行しています)
1.toolchainの選択
使っているAndroidのCPUがARMなのでarm-linux-androideabi-4.4.3になる。
2.sysrootの設定
NDKを$HOMEに展開しているので
$ NDK=${HOME}/android-ndk-r8
とし、Android 2.3向けにコンパイルしたいので
$ SYSROOT=${NDK}/platforms/android-9/arch-arm
とする。AndroidのバージョンとAPIレベルの対応はSTABLE-APIS.htmlを参照。
3.コンパイラの選択
$ export CC="${NDK}/toolchains/arm-linux-androideabi-4.4.3/prebuilt/linux-x86/bin/arm-linux-androideabi-gcc --sysroot=${SYSROOT}"
CCに--sysrootまでを含める。
4.CFLAGSの設定
CPUがAMRv7でVFPがあるのでドキュメントと同じ様に設定。ただし、この後に実行するconfigureでCFLAGSが反映されないのでexportしておく。
$ export CFLAGS='-march=armv7-a -mfloat-abi=softfp'
ここからドキュメントを離れて実際にconfigureとmake
$ tar zxf wget-1.11.4.tar.gz $ cd wget-1.11.4 $ ./configure --without-ssl --disable-nls --build=i686-pc-linux --host=arm-none-linux-gnueabi
config.status: WARNING: Makefile.in seems to ignore the --datarootdir setting※2013/05/20 追記: configure時のオプション--hostはgccの前に付いているarm-linux-androideabiのほうがいいですね。
と警告が出るが、コンパイルしたいだけなので気にしない。
コンパイル時に必要なsrc/config.hが作成されるのでsrcディレクトリに移動してmake。
$ cd src $ make utils.c: In function 'get_grouping_data': utils.c:1223: error: 'struct lconv' has no member named 'thousands_sep' utils.c:1224: error: 'struct lconv' has no member named 'grouping' utils.c:1238: error: 'struct lconv' has no member named 'decimal_point' make: *** [utils.o] エラー 1
utils.cでエラーとなる。Android NDKのlocale.hではstruct lconvが定義されているがメンバーが無いので修正する。
utils.cの1箇所からしか呼ばれていないので、get_grouping_data()の呼び出し元を修正してget_grouping_data()を削除してもいいかも。
修正後、makeしなおしてwgetが作成されることを確認。
--- utils.c.org 2008-04-27 13:48:24.000000000 +0900 +++ utils.c 2012-05-19 18:04:08.000000000 +0900 @@ -1213,6 +1213,10 @@ static void get_grouping_data (const char **sep, const char **grouping) { +#ifdef __ANDROID__ + static const char *cached_sep = ","; + static const char *cached_grouping = "\x03"; +#else static const char *cached_sep; static const char *cached_grouping; static bool initialized; @@ -1243,6 +1247,7 @@ } initialized = true; } +#endif *sep = cached_sep; *grouping = cached_grouping; }変な直し方ですが、数値の桁区切りの文字と区切りを入れる桁数の設定をしているだけなので、こんな感じで。
utils.cの1箇所からしか呼ばれていないので、get_grouping_data()の呼び出し元を修正してget_grouping_data()を削除してもいいかも。
修正後、makeしなおしてwgetが作成されることを確認。
Android.mkとApplication.mkをwget-1.11.4/jni/に作成して、ndk-buildでもwgetが作成できることを確認。
以前Android用のwgetを導入した時は、修正パッチを見て結構修正する必要があると思ったのですが、Android向けの設定でconfigureが通れば、修正箇所はかなり減りますね。
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